| 序
皆に平穏が訪れるように。明日を案ずることなく、眠る事ができるように。
生まれ出でるものが皆祝福されるように。
安らかに死に至るように。
この世の森羅万象すべてに感謝を捧げ、満ち足りた時をおくることができるように。
女は歌った。遠く仰ぐ天に向かって。
何時いかなるときも、女は祈りつづけた。
その歌を聞き、誰もが涙を流した。そして祈った。
ただ、一つの存在に。
至高の輝き。
神という、ただ一つの存在へ。
祈りは、願いは形になり、神へ届く二つの鎖となって現れた。
そして女は、
祈ることをやめてしまった――。
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