第二章

 夜、ヒイロ達4人は酒を飲みつつ、適当に話をしていた。ダグラスが、アレックスが『SAND GLASS』を消滅させようとしていたのを手伝っていた話や、その後のクリスの話、などなど。色々話すことが多すぎて話題に事欠かなかった。

 そして、ヒイロがぽつんとカークに聞いた。

「ねえ、ミスティって、どうしてギャングのボスなんかになったの」

 カークは、ああ、という風にヒイロの方を向いた。

「もとはな、あのグループは俺がボスだったんだよ。けどなあ、何だか知らんが、後からやってきたミスティと絡んだとき、喧嘩に負けたわけよ。もうむっちゃ強くて、俺はその時入院したね。全治二ヶ月ってとこだよ。そうして、うちはミスティに乗っ取られた。まあ、言い方悪く言えば、こういう事かな。でもそれから奴のいろんな話聞いて同情して。ああ、その頃はロジャーがいたんだよ。ロジャーはまだガキだったんで、ミスティが小学校に通わせようとしたりして、あー、あの頃はよかったなあ」

 少し酔っているらしく、カークの焦点は遠くで結ばれていた。

「じゃあさ、何でミスティはカークよりも強いわけ? 何で?」

「んー、あいつさあ、もとは親父とかと一緒にいたんだけど、親父が死んで、母親も何かどうにかなっちゃって、それで親父の研究を引き継がされそうになったロジャーを連れて二人で逃げてきたわけよ。それだけでもすごいんだけどさ、そん時はまだ普通の女の子だったらしくて。ああ、これ、本人から聞いた話だから嘘かもしんないけど」

「それで?」

「なーんか、ダウンタウンに来たとき、色々他の奴等に絡まれたらしくって、それを助けてくれた人がいたんだってよ。それで、そいつ、追われてるんだとか言ってて、ミスティと一緒にしばらくいたらしい。その時、そいつから戦い方とかむっちゃ教わったらしい。そいつ、何だかすげえ強かったらしいからなあ」

「へー」

 ヒイロが思わぬエピソードを聞いて興味深げに声を上げた。

 カークは酒を一口飲んで、いきなり思いついたように言った。

「ああ、そういや、そいつ赤毛で逆立ってたってミスティが言ってたなあ。クリス、そのアレックスとか言うのに似てない?」

「──まさか? それっていつの話だよ」

「えーと、ミスティがロジャーを連れて逃げてきた頃の話だから、今から6、7年前だな」

「すると2000年くらい?」

「あー、かも」

「アレックスが死んだのは1999年だ。しかもその直前は色々ゴタゴタしてて、ダウンタウンで一息つく暇なんてなかったぜ」

「じゃあ違うんだなー」

「ゾンビなんじゃない?」

 ヒイロが突拍子もないことを言った。

 阿呆、とクリスがヒイロの頭を拳骨で殴る。

「ミスティ、そいつにすげえ惚れてたみたいだから、すごい覚えてるんだけど、マグナム使ってたってよお」

「──!!」

 クリスがダグラスの方を見る。

「……まさかだよな」

 ダグラスは完全に酔っぱらっているらしく、顔が赤くなって目も充血していた。

 ダグラスはクリスの方を見ているのか何なのか、焦点の合わないまま、

「そりゃーアレックスだ、間違いねえ!」

 と言って突然ソファーに倒れ込んで眠りだしてしまった。

「……」

 三人が顔を見合わせる。

「……このじじい、大丈夫なのか?」

 カークが不安げにダグラスの方を見ながら言った。

 ──朝。

 クリスが身を起こすと、ダグラスの姿がなかった。ついでにダーウィンも。

 散歩に出かけたのだろう。ヒイロとカークはまだ床に転がって寝ている。

 クリスは外に出た。

 一度、ここにアレックスと一緒に来たことがある。もう10年くらい前の話だ。

 その頃ダグラスは今より少し若くて、『くそじじい』ではなく、『くそおやじ』だった。クリスはアレックスと、朝この家の前の庭に座り込んで、何故だか聖書が本当に正しいのかどうかについて話した。アレックスは全く神というものの存在を信じていないようだった。というか、信者になる筋合いもなにも彼らにはなかったのだから当然と言えば当然と言えよう。

「救いは聖書にあるなんて、くそったれだ。自分が本当に困ったとき誰が助けてくれる? 神様が助けてくれるって? ふざけるな。今まで一度だって助けてもらった事なんてねえよ。最後に自分の尻を拭うのは、自分なんだ」

 アレックスは、そう言っていた。事実、彼は今まで、他人の誰かに助けられることなく、全て自分でやってきた。そういうアレックスを見てきたから、クリスもアレックスの言葉に納得していた。

「荒廃の時代に救世主が来るだって? 神頼みもいい加減にしろって感じだよな。そんなこと言うと、荒廃する前にその荒廃を止める気力すらも出てこないじゃないか」

 クリスは黙ってアレックスの話を聞いていた。

 アレックスの話で、クリスが間違っていると思ったことは一度もなかった。

 アレックスは常に正しくて、人よりも三つくらい先のことを考えていて、クリスは時たまこの人が神様なんじゃないかと思ったくらいだった。

 そうして、アレックスは聖書に対する自分の考えを一通り話終わった後、クリスにこう告げた。

「俺達は『SAND GLASS』をこの世から消すだけでいいんだ。クリス、お前は絶対に深入りするなよ。いいな。このプロジェクトは国家だけのものじゃないんだ。絶対に何があろうと、お前がこの背後について何を知ろうと、絶対に手を出すな。いいな」

 クリスは何でこんな話をするのかよくわからなかったが、とにかく、アレックスの言ったことには納得してうなずいた。「神にかけて誓うよ」クリスがそう言うと、アレックスは声を立てて笑った。

 

 

 クリスがしばらく芝生の上でぼうっとしていると、ダーウィンがダグラスと一緒に帰ってきた。ダーウィンはクリスの姿を見つけると、嬉しそうに尻尾を振って吠えながら飛びついてきた。

「よお、もう起きていたのか」

「って、この犬、何でこんなに飛びついてくるんだよ!」

「お前が気に入ったみたいだな」

 クリスは立ち上がろうとしてまたダーウィンに飛びつかれ、芝生の上に倒れ込んだ。

 それを見てダグラスが笑う。

 一時の安らぎかもしれなかった。

「クリス、大体準備は整った。後はお前らが出て行くだけだ」

「……そうか」

 クリスはダーウィンをなんとか落ちつかせて、立ち上がった。

「俺も死ぬかな」

「大丈夫だ。アレックスが守ってくれるさ」

 クリスが少し笑った。

「あいつは死んでまで俺の面倒を見ようなんてしないさ」

 突然、ダーウィンが玄関の方に駆けていった。

「おは……うわっ」

 ヒイロだった。

 クリスがヒイロの方に振り返る。

「お前、ウイルスは平気なのか?」

「ん……? よくわからない。多分平気なんじゃないかな、なんてね。内部ではもしかしたら免疫破壊とか進行してるのかもしれないけど」

 ヒイロはダーウィンの頭を撫でながら言った。まだヒイロはきちんと免疫破壊について話していなかった。きっともう発病しているんだろうことや、HIVウイルスなみに進行していることもわかってはいたのだろうが。

 クリスが急に真剣そのものの顔つきになって言った。

「今日、指定された場所に行く」

「いいよ」

「一応作戦がある。カークは起きてる?」

「んーまだ……」

 ヒイロは苦笑いをしつつまた玄関の中に入った。ダーウィンも尾っぽを振りながらそれに続いた。

 

 

 

 ミスティのいる部屋の鍵が開いた。ミスティが薄目を開ける。

 どうやら軍人らしい一人が入ってきた。

「一応レディに食べるものを与えろってな。食え」

 そいつが差し出したのはパンだった。

 ミスティはしばらくそれを見つめ、それからこう言った。

「それがレディに対する態度? あたしどうせもうすぐ死ぬんでしょ。だったらもう少し優しくしてくれない? これが最後の食事かもしれないのに」

「ほう。どうしろと?」

「せめて片方でいいから縄をほどいてよ。いいでしょ」

 ミスティにしては珍しくやんわりと言った。男の方も芯は優しい奴だったのだろう。ミスティの言葉に納得して何だかかわいそうになり、手の縄をほどいてしまった。

「これでいいだろ、食え」

 男は銃をミスティに向けてそう言った。一応、用心のためである。

「じゃあ、頂くわ」

 そう言ってミスティは一口パンをかじった。

「──ところで」

「?」

「あんたその銃の持ち方じゃ、手を痛めるよ」

「何だと?」

 男は思わず手元を見た。

 その瞬間、縄をほどかれていたミスティの拳が、男の鳩尾に強烈な一打を与えた。思わず男が銃を落とす。

 ミスティは落ちた銃を手に取り照準をそのまま男に合わせた。

「足の縄をほどきな。声を上げたらすぐに撃つ」

 男はやっと自分の考えの浅さに気がついた。男はまだ若く、軍に入ったばかりだったにちがいない。男はだまってミスティの言われたとおりにした。

 そしてミスティは男の鼻先に銃口を当てたまま、今度は男を縛り上げた。

「この軍服、借りてくからね」 

 ミスティは男の軍服を着込み、男にさるぐつわを噛ませると、銃を持って部屋を出ていった。

 

 

 

 

 ヒイロは約束の孤児院跡に足を運んだ。かなり壊れてはいるが、建物は、まだ形を残していて、軍の人間が隠れるのにはもってこいのようだった。

 入口には数人の軍人がいた。

「ヒロヤ・ヤマネです。約束通りに来ました。ミスティは何処?」

「約束通り──? 一人足りんな。金髪はどうした?」

 軍人がヒイロに銃口をむける。

「クリスはミスティが現れてから来るって。だから早くミスティを出してよ」

「いいだろう。こっちへ来い」

「いやだ。そっちへ行ってもミスティがいないかもしれないだろ。ここで待つよ」

 一人の軍人が「いいだろう。上の指示をあおいでくる」そう言って消えた。

 ヒイロの周りにはいつの間にか、ヒイロが逃げられないように包囲する形で十数人ほどの軍人が集まっていた。

 その時、マシンガンの音が建物全体に響きわたった。

「北の棟に誰か侵入者がいる!」

 遠くからメガホンで叫ぶ声が聞こえた。

 ヒイロの周りの軍人も数人そちらへ行こうとしたが、残りがそれを制した。

──ダグラスさん大丈夫かなあ。

 そう、マシンガンの主はダグラスなのである。クリスの作戦は単純明快で、建物全体に潜伏している軍の注意を四方八方にちらし、その間にミスティを助け出すというものである。

 建物は北と南に分かれていて、ヒイロが現在いるのは南の正面入口、そしてダグラスが攻撃を開始したのが北の棟の裏口からである。

 カークは混乱の中、ミスティを助けることになり、クリスはその他残っている軍をおちょくることになった。クリスの予想だと、軍は特殊部隊がわざわざ出向いてくるようなことはなく、多分どうでもいい下っ端を大勢連れてくるだろうということなので、そんなに難しい作戦を練る必要はないということだった。あのギルバート・スミス大佐はこの間の爆発で重傷をおって入院でもしているはずだからだというのである。

 そして、クリスが南の棟の裏からよく見える位置に姿を現し、軍を翻弄しはじめた。あらかじめ用意しておいたマシンガンでとにかく届く範囲を撃ちまくる。たいがいの軍の人間は彼をつかまえようと躍起になっていた。

──さあ来いよ、ミスティさえ助けてしまえばこっちのもんだ。

 しかし彼の考えはまだ甘かった。建物に囲まれている中では死角ができやすい。

 中には落ちついて彼をしとめる機会を狙っている者もいた。

 彼らはクリスの進む方向に先回りし、銃を構えて待っていた。

 クリスが建物に向かってマシンガンを乱射し、そして走っていると、突然クリスの背中の方から音が聞こえた。そして、振り返ったとたん、クリスは左の脇腹を撃たれた。

 衝撃で倒れそうになる。だが、倒れるわけにはいかなかった。

 ここで倒れれば自分は終わりだ。

 そう思ったクリスは気力で押し止め、自分に傷を負わせたと思われる背後にもマシンガンを乱射したが、どうやらもうそこには誰もいないようだった。

「ちくしょう!」

 クリスは建物の階段をかけあがった。息が苦しい。脇腹から大量に出血しているのだろう。派手に動く度に激痛が走り、いつしかその痛みも鈍くなってきていた。放っておくとこの間のヒイロ以上にやばいことになる。しかしクリスは走り続けた。

 狭いところに来ればマシンガンがあたる確立も高くなるし、追手も数が限定されてくる。下手をすれば追い込まれるが、それも承知の上だった。

 とにかく今はカークがミスティを助けにいっていることが気づかれないことが先決だ、ミスティが助かれば多分ヒイロも何とかなる。クリスはそう思って走り続けた。

 下から数人どやどやと駆け上がってくる音が聞こえた。

 クリスは額の汗を拭い、走りながら肩からかけている弾の束をはずした。

 

 ミスティは男子用トイレにいた。

 外が騒がしく、うまく軍服も着こなせていない今、とりあえずは隠れるしかなかった。

──服は何とかなる。だがこの髪がまずい。

 ミスティは鏡を見た。軍帽をかぶったがこの帽子では髪を隠すことができない。

 洗面台に剃刀が置いてあった。

 手を伸ばし、一瞬ためらった。

 外が騒がしい。今きっとヒイロとクリスが助けにきているんだろう。もしかしたらカークも。あたしを助けるためにこんな騒ぎになってるに違いない。あたしは逃げなきゃいけない。みんなが助かるために。

 ミスティはばっと剃刀を取って前髪から全部をそり落とした。

 綺麗だった黒いボブショートの髪が床にぱらぱらと落ちる。

 髪をひとつ残らずそり落としてミスティは軍帽をかぶった。

 これなら誰もミスティをミスティと思うまい。

──髪なんて、また生えてくるさ。

 ミスティは鏡の中のスキンヘッドの自分ににっこり笑いかけると、男子用トイレを出た。

 途中何人か軍人とすれ違ったが何もいわずに通り過ぎていった。というより、誰もが忙しくていちいち他人の事など気にしていられなかった。

 どこかから声がした。

「おい! ミスティ・レイモンドが逃げたぞ!」

 ミスティは外に向かって走り出した。

 

 

 

10

 ヒイロの所に上の指示を仰いでくると言った軍人が帰ってきた。

「あの女が逃げた!」

「何だって!」

──やった。

 ヒイロは心の中で喜んだが、どうも予定と違う。本当ならミスティが逃げると同時にカークがヒイロの所へ来るはずだったのだが、そのカークがいっこうに姿を現さない。

 これではヒイロがつかまってしまう。

「やばいなー」

 ヒイロは下唇を噛んだ。

 

 

「大佐、人質が逃げたようです」

 病院のベッドで雑誌を広げていたスミス大佐のもとに一人の部下がやってきた。スミス大佐はその報告に別にさほど驚いた様子もなく、視線を雑誌からその部下に移した。

「それだけか」

「いいえ、例のクリス・フォードと数人が潜伏していた軍を混乱させているようです。やはり精鋭部隊を用意するべきだったのでしょうか」

「いや、必要ない。こうなることも予想済みだ」

 スミス大佐はおもしろくもなさそうな表情で雑誌を閉じた。

「現場付近の部下に言ってある。あの孤児院跡の爆破だ。あそこにいる兵もろともやつらを吹き飛ばす。お前はただそのスイッチを押すように現場付近の私の部下に言ってくれればいい」

「……現場にいる兵も──ですか?」

「そうだ。そのために新米の奴等に行かせた。爆破は後から爆弾魔の仕業にする。とにかく早く現場の部下に連絡してくれ」

「は、わかりました」

 スミス大佐の部下は、一礼すると部屋を出ていった。

 

 

 クリスは階段を駆け上がりながら追手をどんどんつぶしていった。階段の踊り場の広い窓からは北の棟が間近に見える。クリスはダグラスの様子を確認しようとしたが、突然銃弾が降ってきてうつ伏せになった。突然クリスの進行方向──つまり階上に敵がいたのだ。体中に鈍い痛みを感じる。大分痛みを感じる神経もマヒしてきたようだった。

 クリスは下からもまだ追手が来ていることを知って焦った。

──まずい。アレックスの時と同じだ。

 完全に挟み撃ちだった。

 ぴたりと銃声が止んだ。

 両者は動けないクリスの動向を窺っているようだった。

 ふいに窓ガラスが割れた。そして、階上から人が降ってきた。階上にいた敵だろう。

 北の棟にいたダグラスか、と思ったが考える暇もなくクリスは階下の敵に向かって乱射し、ほぼ全滅させることができた。

 もうしばらくしたらまた追手が来るかもしれない。

 だが──。

 クリスは北の棟の方を向いたが、ダグラスは見あたらなかった。

 足元に落ちてきた階上にいた敵の傷を見る。

 貫通していて、背中の方には拳大くらいの穴が開いていた。

──マグナムだ。

 クリスはばっと立ち上がった。割れた窓から間近にある北の棟を見た。

──まさか……

 

 

 ダグラスは北の棟の二階の廊下でしゃがみ込んでいた。腕から血が流れている。

「俺だけじゃ、こうはいかないに決まってるさ」

 ダグラスは目の前の死体の山を見て苦笑した。

「さて。年寄りはもうここを去った方がいいな」

 ダグラスはよっこいしょと腰を上げると、階段を下りていった。

 

 

「カーク!」

 突然呼ばれてカークが振り返る。声の主は軍服にスキンヘッドだった。

「……?」

「カーク! お前無事だったんだな!?」

「……みすてぃ???」

 カークがすっとんきょうな声を上げた。

「どうしたんだよ、それ……」

「うるさい! 気分だよ気分。それよりヒイロとかは……」

「あ、急がないと!」

 カークとミスティは走って南の正面入口の方に向かった。

 ミスティがカークの前を走る。

「ヒイロこっちなんだね!?」

「ああ、そうだよ! 作戦で……あっ」

 向こうからヒイロが連行されて歩いてきていた。

 ミスティがカークに物陰に隠れるように言う。もともとこの建物は古くなって暗くなっているので、すこし隠れればほとんど見えなくなる。

 カークが隠れたあと、ミスティはつかつかとその集団に近づいていった。

「おい、お前どうした? 他の所の様子はどうだよ?」

 ミスティは声をかけた男の方に向いた。

「こいつはウイルスに感染しているらしい。あまり近づかないようにして連れてこいと言われた」

 ひいっと他の奴等は身を退けた。

 ミスティがヒイロの手をつかむ。

 そしてミスティが小声で言った。

「少し後ろにさがってしゃがんでいろ」

「え?」

 聞き返したヒイロを突き飛ばすと同時にミスティは立て続けに敵を撃った。

 相手はそれに対応する隙もなかった。

 一人残らず始末した後、ミスティはヒイロに向かって笑いかけた。

「どう? これ似合ってる?」

 

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